コロナ禍を機に、特に免疫力を気にされている方は多いと思います。
免疫は、体内に侵入・発生した病原体を駆除・無毒化するための、体に備わる能力です。
免疫を担う、様々な免疫細胞たちが、外から入ってくる細菌やウィルスのほか、体内で発生した異常な細胞、がん細胞を攻撃、破壊して体内環境を維持します。
対ウィルス感染対策として行われているマスク、除菌、手洗い励行は、外敵を入れないための水際対策ですが
対策には限界がありますので、体が戦える機能が強く正常に働けるようにしておくと安心につながりますね。
感染対策としては、ウィルスや菌は、口・鼻・目など主に粘膜から入ってきますので、
粘膜が乾燥しないように、湿度に気を付けたり、
鼻うがいしたり
体の水分を奪う乾いた粉もの(パンなど)を少し控えたり
こまめにきちんと水分を摂ること
また
血液やリンパ液、細胞の中にいる戦う免疫細胞さんたちが、体のすみずみまでパトロールできるよう、
適宜運動し、
体をあたためて、
血流やリンパの流れを良くしておく
ことは心掛けましょう。
体内の異物の駆除ということも、免疫の仕事ですが
新しく生まれる細胞には時々エラーがあり、健康な人でもがん細胞や異常な細胞は実は日々作られています。
しかしがんにならないのは、免疫機能がちゃんと働き、異常な細胞が都度駆除されているため。
生命機能として体があたたかく、そして血流やリンパの流れが良いことは、とても重要ですし、体の機能がよく働くように、助ける手当てをしていきましょうね。
特に不調がない時も、少しの体の不調を感じたタイミングでも、手当てをしておくと回復が速く、いつも元気でいられますよ!
★手当てする
免疫機能は活動とリラックスのバランスが取れている時に一番よく働きます。
活動時によく働く免疫細胞、リラックス時によく働く免疫細胞、両方ありますので、バランスが重要。
つまり、活動と休息のバランスを司る自律神経とも深いかかわりがあります。これを踏まえ、
頭、脊椎、お腹、胸腺への手当てご紹介します。
※手当てって何?と思う方も、ただ、手の力を抜いて、優しくその部分に手を置く、または少しさするなどしてみてください。手のひらからは、誰でもエネルギーが流れ出るようにできています。
・頭
頭は数分間の手当てでも、とてもリラックスできます。眠りの質も改善し、眠りが深くなります。
考えすぎや不安、ストレスを感じやすい方にもお勧めです。
頭のどこでも手当てしてよいです。
体からの不調の反応を感知できる受講生さん方は、その反応を頼りに位置を調節してください。
後頭部にやるとしたら、こんな感じ。
座って、テーブルに肘をついてやると、楽にできると思います。
・背骨
脊椎、背骨にはたくさんの神経が走り、免疫系に深く関わる自律神経も通っています。
なでたりさすったりするだけでも血行がよくなり、神経にもいい刺激になります。
手当てポイントは、
首の付け根の大きな骨(頸椎7番)と
お尻の真ん中の平らな骨(仙骨)
両方とも氣が入りやすいポイントで、太い血管も走り、首の付け根は風邪予防のツボでもあります。
背骨全体に、適当な感覚を空けて手当てしてもよいですよ。
(ちょっとモデルがちびですけど。。。息子にモデルしてもらいました)
・お腹
小腸には免疫細胞のリンパ球が全身の70%集まっているといいます。
体の中心であるお腹が、あたたかく巡り良い状態でいることも大切です。
※おへその真上くらいをカバーします。
・胸腺
胸腺は10代まで時に活発に働き、それ以降は退縮していきますが、免疫細胞を成熟させる重要な器官です。
お子さんをケアしたい場合はここも手当てするといいでしょう。
また、別の視点では、胸はハートと直結しています。
人間関係の悩みや、悲しみを感じて調子が悪い、免疫が下がっている時にもぜひ手当てしてください。
胸腺は心臓の上、胸の真ん中の骨の下、少しのどに近い方にあります。
※喉が苦しくないように手を当ててください。
★効能ツボ
免疫機能をよく働かせることに、ツボ刺激も役立ちます。
ここでは全身状態の改善によい、代表的なツボをご紹介します。
・井穴(せいけつ・爪もみ)
手足の爪の生え際には、全身につながる大事なツボが、各指ごとに存在しています。
「井穴(せいけつ)」と言いますが、万病予防、起死回生のツボ、なんて表現する東洋医学の先生もいらっしゃいますね。
なかなか強力です。
刺激も簡単ですので、具合が悪くなくても普段から刺激してみましょう。
ご高齢で運動が難しい方などは、特におすすめ。
血流もよくなりますし、体の生命維持機能の要、自律神経が整います。
手足左右5本の指全部。生え際のラインを横からぎゅっぎゅと少し強めにつまむ感じで。
・消化吸収を整えたければ手の小指
・呼吸器を整えたければ手の親指
・心が落ち着かない場合は手の中指
・体がガチガチにこわばっていたら足の薬指
・全身の巡りをよくしたければ手の薬指
を特によく刺激するといいかな。
・中府(ちゅうふ)
東洋医学では、肺は体を外敵から守る氣を、体表に巡らせる働きをしていると考えます。
その肺の機能を高めるツボ。
呼吸器の疾患、喘息や花粉症にもおすすめです。
場所は鎖骨の外端の下のくぼみからさらに親指1本分下にあるくぼみ。
・足三里
他の症状でもよくご紹介するツボですが、エネルギーを作り出す消化吸収力を高め、全身にエネルギーがいきわたるのを助けます。
足の脛の骨の際、膝から指3~4本下
ぜひお役立てください。