疲れ、疲労は、本来なら1日休んでよく眠れば治るものですが、
なかなか疲れが取れない、
いつも疲れ気味
動けるけど、どこか体が重い
と感じている方にも、多くお会いします。
・・・過去の私もまさにそうでした。
私も、疲れているのが当たり前で、バリバリ働いてたし、子育てもまあ普通にできてると思っていたから、みんなそんなもんだと思ってました。
だけど、疲れと簡単にいいますが、この疲れを感じる体の機能は、
体を、命を守るための大切なアラーム機能なんですよね。
命を継続維持していくために、
体の状態や機能を一定に保とうとする恒常性(ホメオスタシス)機能のひとつとして、
「それ以上の活動は止めて!」と制限するサインです。
命に係わるものすごく重要なサインなので、動物はみんな疲れのサインに素直に従い、休みます。
思考を使って逆らうのは人間だけ。
なので、疲れたくらいで・・・と無理を続けるのは禁物です。
溜まりにたまった疲労を回復させるためには、そこまでの状態になった時間の倍以上、時間と労力が必要になってしまいます。
人によっては、疲労を無視し続けた結果、何か病気の形でストップがかかる場合もあります。
人生の中で忙しい時期だってあるけれど、そんな時こそ、特によい休息をとり、疲労をためないことがとても大事ですね。
そして、疲れていても、なんで自分は休もうとせず動き続けるのか、無理してしまうのかも、一歩引いて見つめてみることも大事です。
「ほかの人に迷惑をかけられないから」
「休んでいる場合じゃないから」
「子どももいるし、忙しいくらいが普通だから」
「今の自分じゃダメで、もっとがんばらないといけないから」
いろんな理由があると思うけど、そういう理由がうかんだら、ぜひ
「それ、ほんと?」
と自分に問うてみてください。
案外、あれ?そうでもないかも、と思えて力が抜けるかもしれません。
思い込みや気持ちで動いて、体を置いてけぼりにしないようにね。
(もちろん必要なら、疲れをとり、思い込みをゆるめにヒーリングにもいらしてね)
この疲労を溜めず元気に過ごすために、セルフケアとしてできることは
自律神経のバランスが取れるように、行動すること
本当なら、1日休んでしっかり眠ればとれる疲労が取り切れないのは、
疲労で体内の状態を一定に保つ恒常性(ホメオスタシス)が崩れ、生命維持活動の要である自律神経のバランスも崩れてしまっているから。
自律神経は、交感神経と副交感神経の正反対の働きをする2つの神経をさし、呼吸や体温維持、血液循環、消化吸収と、生命維持に欠かせない機能を司っています。
ざっくり言うと、交感神経は心身を活動モードにし、副交感神経は心身を休息・回復モードにします。
この自律神経をコントロールする最高中枢は、脳の視床下部というところ。
視床下部はその他にも、怒りや不安といった情動行動を調節したり、ホルモンの分泌の中枢としての機能があります。
なので全身および精神の疲労回復には、自律神経のバランスがとれやすい状況にし、視床下部の疲労を抑えることが大切です。
★疲れをうまくとるコツ
もちろん、手当てで助けられることはたくさんありますが、それ以外、そもそもの日常の行動を変えていく必要もありますね。
ここは、もう、人間として自然な営みをするしかないです。地味ですけど(苦笑)
1、睡眠
疲労回復に、眠りに勝るものはないといえるでしょう。
夜勤がある方もいらっしゃると思いますが、出来る限り夜はしっかり眠る。日中に、夜と同じだけ寝ても、同じ効果は得られません。
自律神経は、日中の時間帯は活動にそなえ交感神経が働きやすく、日暮れ以降は副交感神経が働きやすいようにプログラムされており、
体の回復も日暮れから夜、睡眠時に促進されるようになっているためです。
副交感神経がよく働いている時にしか、体は休息、回復できませんので、やはり夜の睡眠というのは一番大切です。
毎日寝る前には少しぬるめのお風呂につかり、リラックスして副交感神経よりにバランスをとるといいですね。
体を少し伸ばしたりするストレッチもおすすめ。
寝る直前のスマホ、PCは、ブルーライトによりバイオリズムが狂い、質のよい眠りの妨げになるので、せめて就寝30分前にはチェックするのを終わりにしましょう。
また、既に相当疲れている方は、20分程度の昼寝を取り入れるのはおすすめです。(長時間は眠らないよう)
2、朝起きて日の光を浴びる
睡眠のところでも書いたように、人間は日中活動し、暗くなったら眠るようにできています。このリズムを整えると、自律神経もスムーズに働きやすくなります。
朝起きたら日を浴びてください。目から光の刺激が入ることで、セロトニンというホルモンが分泌されます。
これは精神安定のホルモンとしても有名ですが、夜眠るための睡眠ホルモン、メラトニンの原料でもあります。
体内時計が朝きちっとリセットされて整いやすくなり、よい睡眠もとれやすくなります。
そして体の環境を一定に保つホメオスタシスも整いやすくなり、疲労回復をスムーズにします。
3、少し疲れるくらいの有酸素運動、適度な筋トレ
変な言い方ですが、疲れることをしなさ過ぎても、疲れるんですね。
楽に会話ができる程度の有酸素運動は、体の血流をよくし酸素を巡らせます。緊張してカチカチの体は、リラックスして自律神経のバランスがとれてきます。
また、自分の重みを利用した筋トレをして、筋肉をつけることで体の代謝をあげていくことができます。
軽い負荷で回数を多くする筋トレの方が、疲れにくい体づくりにはおすすめです。
運動、トレーニングの疲労がスイッチとなり、体が疲労回復を進めるモードに切り替わっていきますし、体力もついて、疲れにくい体に変わっていきます。
4、考えすぎたら、止める。「べき」を手放す
疲労が抜けにくいのは、考えすぎ、頭が働きすぎることも、大きな原因の一つですね。
気になることがあっても、心配事があっても、今この瞬間自分ができることをやりきったら、あとは自然な流れにお任せする、そんな意識を持ちましょう。
自分が、こうするべきだ、と思っても、他の人はそうは思わないかもしれないし、冒頭に書いたように「それほんと?」と自分に問い直したら、実はそうでもないことも多いです。
どうしてもぐるぐる考えが止まらない時は、
次に紹介する手当てはもちろん、有酸素運動をするといいですよ。頭から体に意識が切り替わり、頭の働きすぎを抑えてくれます。
(それでも、自分だけでは考えを手放すのが難しいと感じたら、やっぱり一度ヒーリングにおこしください♪)
★手当てする
ここからは、手のひらをつかったセルフケア。
ご紹介したところに、手を当てるだけです。
手当ては心身をリラックス、休息モードにすることに、本当に役立ちます。
また、痛んでいるところ、弱っているところにダイレクトにエネルギーを注げるので、回復を促進できます。
疲労は全身に関わるので、手当てするとよい箇所も多いのですが、日替わりで箇所を変えて手当てしたり、気になるところを集中的に手当てするといいと思います。
上記にあげた、疲れをうまくとるコツを実践しつつ、
例えば、寝る前など日々手当てする習慣をつけていくと、疲れにくい心身に変わっていくでしょう。
頭(脳)
視床下部の疲労回復に。視床下部は脳の奥にありますので、両側から挟むと奥にエネルギーが届きやすくなります。
また、思考、感情、理性を司る前頭葉にもエネルギーを注いで、ゆっくりお休みさせてあげましょう。
腰
腰は東洋医学では脳と関連があるとされています。
また背骨には自律神経が通っています。セルフケアの場合は背骨の終点、仙骨(お尻の真ん中の平らな骨)に手当てすると、自律神経が整いやすくなります。
腎臓
疲労物質、老廃物の排出で、一番重要なのは尿です。
疲れが溜まった状態では、腎臓もオーバーワーク気味ですから、腎機能がしっかり働くようエネルギーを注いであげましょう。むくみ気味の方にもおすすめの箇所です。
手が届きにくいけど、お臍のライン上背中側、背骨挟んで左右にあります。
肝臓
腎臓とならび、体内の解毒を引き受ける肝臓。
肝臓はエネルギー源の糖の貯蔵や消化液の胆汁生成、自律神経の調整にも関連があります。
500近い働きを担う重要な臓器です。体が疲れていたら肝臓も確実に疲れていますので、しっかりエネルギー補充してあげましょう。
位置は体の右側あばら骨の下に収まっています。アンダーバストのところに手を置くといいと思います。
お腹(おへそ)
お臍は氣が入りやすいところでもあります。また体の中心を温めることは、体に活力をめぐらせ、精神を安定させることにも役立ちます。
首
首こりと、自律神経の不調の関連性は、多くのお医者様もおっしゃっていますね。
首には自律神経もその他の神経も、重要な脳への血管も通っていますので、ここの流れがスムーズであることはとても大切です。
★効能ツボ
全身の疲れに効果的なツボもご紹介します。押すと痛みがあるかもしれませんが、痛気持ちしい程度の圧でぐーっと10秒くらい押し込みましょう。
腎兪(じんゆ)、志室(ししつ)
東洋医学では、腎と脳は関連があるとし、そして生命力を宿すとも考えられています。腰をしっかり刺激することで、疲労が取れやすく、頭もすっきりしてきますよ。
腰痛にもおすすめのツボです。
背中側、お臍の高さのライン、
背骨から指2本外側が腎兪(青点)、その更に指2本外側が志室(ピンク点)。
背中側のツボなので、仰向けに寝てテニスボールで刺激してもいいでしょう。
築賓(ちくひん)
解毒、老廃物排出にもとてもよいです。足の冷えやむくみにも。
ふくらはぎの内側、内くるぶしから指5本分ほど上の筋肉の切れ目。
ぜひ疲労回復にお役立てくださいね。