人間の体には、本来、体温調節機能が備わっています。

皮膚がセンサーとして高温を察知すると、それが脳に伝わり、

温調節中枢が暑いと判断すると、体温を下げる指令が自律神経を通じて体に伝わります。

そして、血管を拡張させて放熱したり、汗をかいて皮膚から気化させて、

体温を下げるなど行なわれ、体内の熱を調節をします。

気温や湿度が高すぎる環境にいると、調節機能が追い付かず

高湿度のせいで汗をかきづらく体内に熱が溜まったり、逆に大量に汗をかきすぎて、
水分と塩分が不足することがあります。

その結果おこる

ふらふらする、筋肉がつる(軽症)
頭痛やめまい、吐き気、だるさ(中程度の症状)
意識障害、けいれん、高体温(重症)

などの症状の総称が、熱中症といわれています。

起こった時の対処と予防について、ご紹介しますね。

<熱中症のサイン>

・ふらつく
・汗がでなくなる
・呼吸が浅く、早い
・肌が赤い、熱い
・顔色が悪い、青白い
・手足が震える

<サインや熱中症状が出たら>

意識障害、汗が出ないのに高体温、話ができない、自力で水が飲めないなど、

重症な場合は、以下の応急処置をして、至急医療機関へ行きましょう。

・涼しいところへ移動する
・衣服をゆるめ、出せるところは肌を出す
・塩分を加えた水分を取る(ノンカフェインのもの、塩は梅干しや飴などなめてもOK)
・動脈が皮膚近くを通る、首、わきの下、鼠径部、足首を保冷剤や氷嚢、なければ自販機の缶ジュースなどで冷やす
・うちわや扇風機で風を当てる
・皮膚に直接水をかける、ミストを吹き付ける

上記の応急処置をしてから
・手当てする(後程くわしくね)

<熱中症を予防するには>

予防については、適度にクーラー使うとか、
こまめな水分補給をすることが重要と言われています。

もちろんそうなのですが、
私が思うに、予防として一番大事なのは

「暑さに対応できる体でいること」

です。

急に暑くなった日や、熱くなり始めた夏の初めごろに熱中症が多いのは、

暑さに慣れておらず、体の体温調節機能が追いつかないからですね。

暑い環境に何度も身を置いたり、暑い中での運動を繰り返すことで、

汗をすぐにたくさんかけるようになって、暑さに強くなるのも事実。

要は慣れれば、うまく体が対応できるようになり、
体温上昇が抑えられ、暑さに耐えられるようになるということです。

無理は禁物ですが、
だからと言ってクーラーがきいた部屋の中ばかりにいると、

いつまでたっても暑さに慣れず、汗を出す汗腺も発達しないので、

熱中症になりやすい体のままになってしまいます。

1日1時間でも、日傘、帽子、水分補給しながら外に出て体を慣らしていくことも意識しましょう。

本来は年中汗をかき、体温調節機能を使って鍛えておくことと、

少しの変化ではへこたれない体力をつけておくのが、一番お勧めですね。

それでも症状が出てしまったときには、

ご紹介した応急処置と必要に応じて医療機関へかかり、
そしてあなたの手のひらで回復を助けましょう。

手当ては体の機能が十分働き、
体の土台を整えることにもとっても役立ちます!

★手のひらのエネルギーで手当てする

体温調節機能は脳の視床下部にあり、

体温を下げるために血管を拡張させたり、汗を出したりするのは、

視床下部の指令をうけて働く自律神経の役目です。

なので、頭や、自律神経が走る背骨は外さずに手当てするとよいと思います。

あとは、お勧めはお腹です。

お腹がほぐれると、自律神経の働きを助け、
全身の循環が良くなり、血流促進(放熱)、発汗促進にもなります。

頭にあがりすぎた熱、氣を下に下げるにも有効です。

画像は座っていますが、寝かせた状態で手当てしてももちろんOKです。

場所は体からの反応を頼りにするといいですが、

熱がこもっている時は、
頭頂から2~3センチ後ろにずれたところに手を当てるとよい場合が多いです。

背骨

頭と同時にできそうなら、こんな感じに当てるといいかもしれません。

寝ている状態であれば、うつ伏せは苦しいので、横向きに寝てもらってやるといいでしょう。

また症状がなくても、暑い日に外でよく遊んだあとには、手当てしておくといいでしょう。

お腹

お臍の上を手のひらでカバーします。

お腹にしっかりエネルギーが宿ると自律神経の働きが整い、

腸に集まる免疫細胞も活性化して、体調を崩しくくなりますよ。

<私の経験談>
娘が熱中症になってかなりの高体温になってしまったことがありました。

また、その時は、新学期が始まり疲れが出てきた時期と、重なっていたこともあるかもしれません。

体に手をあてて状態を確認すると、
頭の表層に熱の反応があり、

自律神経が走る背骨や、肝臓、腎臓が疲労気味、
お腹は停滞感が強くあまり働いていない感じでした。

娘への手当ては、体を冷やしながら、
体からの反応に従い、
頭、背骨、肝臓、腎臓、
そして、お腹から十分にエネルギーを注ぎました。

症状としては重めにでましたが、翌日には大分よくなり、経過も良好でしたね。

もっと手のひらの力を使うには

効能ツボ

ツボ刺激で効果が現れるのは、熱中症の初期症状の時です。

応急処置と合わせて、1回10秒くらい、ぐーっと刺激すると回復を助けられるでしょう。

陽谷(ようこく)

手の甲側の手首、小指側にある骨の出っ張りの上のへこみ。
体の熱をさます効果があります。

大椎(だいつい)

首の後ろ、うつむくとぼこッと大きく出る骨の真下。
風邪の時にも良いツボですが、体温調節と関連があり、熱を放出しやすくしてくれます。

ここは骨の上なので、押すよりもさすったり、冷やしたりするとよいでしょう。

復溜(ふくりゅう)

内くるぶしから、指2本分上。骨の際。
汗をかきやすくしてくれるツボです。

ぜひお役立てください。

もっと自分の手のひらで、実用的に体をケアしていきたい方、
ぜひ講習へおこしください。

一日であなたの手のひらは、一生ものの癒やし道具になりますよ。